ばいばい春休み

 


春休みのゆうぐれ

気だるい気持ちは

咲いてしまった桜の呆気なさと

さいごの1日だから

ママという甘い響きに

背筋をくすぐられたような

はちみつ色の1日

 

長いこと

寝過ごした車窓で

ふと 下りるべき時を思い出した

 

そんな 気持ち

 

 過ぎてきた風景を

ひとつずつ数えるうちに

すっかり

レタスをちぎる手がとまった

 

わたしは

明日の朝 いってらっしゃいと

言うのがこわい

ともだちに言うように

ばいばいとこの子に笑うだろう

 

ママではなく

ともだちならば

いつまでも同じ時間列車に

乗っていられそうだ

 

 レタスはきらいと

顔をしかめた子供に

べっと舌を出して

さほどめずらしくも無い

春休みのゆうぐれ

【投稿者】 星粒

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