漂流者

 

忘却は
いずれ訪れる死へのリハーサル
わたしのくちびるが
腐乱した名前を語るのはゆうぐれ
波に向かい
波を疎んじる
逆行してやろうかと
じぶんの不甲斐なさをなじる
海が
ひとのためにハープの装いを音色に秘めて
わたしのような
ちっぽけな漂流者のいのちを潤す
忘却は
わたしがしなければいけないことが
まだ波の彼方に無数にあると訴える
過去を伏せて
砂がそれをさらっていけば
新たな波がうちよせる
恋を拾い
恋を捨てにくる
わたしはちっぽけな漂流者

 

 

【投稿者】星粒

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